みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド

デザイナーとのコミュニケーションを円滑にして、良いアウトプットしようぜ月間につき色々お勉強中です。今回は「みんなではじめるデザイン批評」という本を読んで思ったこと、考えたことをメモ。

表面的なところだけでデザインを語るのはやめよう

デザインの良し悪しを語る上でよく起こりがちなのが「かっこいい」や「かわいい」、それが好きかどうかなど、表面的だったり主観的なところで意見してしまう問題。そういう個人の趣向で話をしてしまうと、デザイナーも修正の方向性が掴みにくかったりして延々と修正を繰り返したりしがち。

そもそも、デザインはアートではないので、そこには必ず明確な目的があるはずです。Webデザインだったらユーザーに製品の魅力を伝えたいとか、バナークリックというアクションにつなげたいとか。そういう戦略や解決したい課題があって、それを実現する手法がデザインなわけですよね。であれば、その目的や役割、機能を果たすデザインになっているかどうかこそがもっとも重要であり、議論するならその部分を中心に行うべきだと言えます。

この本にはそのための具体的な方法やテクニック、注意点などが色々と書いてあるのですが、基本的な考えはこんな感じだと理解。

デザイナーの歩み寄りも必要

デザイン批評はそのデザインが狙い(目的や機能など)を満たしているかどうかを評価することだとすれば、正しくこれを行うためにはまず批評者がその狙いを理解している必要があります。

しかし、この狙いはデザインというアウトプットに落とし込まれているので、頑張って推測したとしてもデザインを見ただけで100%理解することは難しいわけです。デザイン(jpgファイルとか)をポンと送って「確認お願いします」なんて進め方もあるあるだと思うのですが、これでは依頼された方も正しく批評できないんですよね。結果、「好き」とか主観的な意見しか出ず、デザインが迷走していくみたいなことが起こりえる。

回避策は簡単。デザイナーがデザインの展開時に狙い(デザイン意図)も一緒に伝えればいいんです。「このページではユーザーに●●という行動をとってほしいので、ぱっと見で▲に目がいくよう■を◆にしました。」みたいな。狙いがわかれば、批評者もそれが正しく機能しているかどうかを判断できるし、「それもありなんだけど、今回は★を目立たせる方針だからそっちで調整お願い」など建設的な話ができます。修正の方向性も明確になってみんなハッピーになれるはず。

デザインを見ただけですべての狙いがパッと伝わるのが理想ではあると思いますが、現実はなかなかそうもいきません。デザイナーも自分のデザインを説明する努力が必要なわけですね。

長所もちゃんと伝える

デザイン批評をしているとついつい改善点のみに目が言ってしまいがち。しかし、それだと場合によっては以前素晴らしかった要素が、修正した結果前ほど効果的でなくなってしまうということが起こり得ます。「あー、この部分は前の方向性でよかったんだけど……」ってやつ。

これを回避するためには、批評の際にデザインの良い部分=長所についても触れることが大事。自分もよくやってしまいがちなので、こことくに気をつけようと思いました。伝えてないことは伝わらないですからね。ちゃんと良いところは良いと言っていかないと。

より良い改善のために

デザイン批評はあくまでデザインやその先の最終成果物(Webだったらサイトですね)を改善してより良くするためのもの。決してデザイナー個人を攻撃したり否定するものではなく、デザイナーと良好な関係性を築き、より良い仕事をするために効果的な手法だと思います。

社内にデザイナーがいる会社はマストバイ。デザイナーと一緒に仕事をするすべての人にオススメです。