「Social Top Runners 2011WINTER仙台」に参加してきました
IT業界の中で現在急成長中のソーシャルアプリ業界について、色々とお話が聞けるということで、本業には直接関係がないものの教養のために参加してきました。ソーシャルアプリ業界のトップランナーということで、3社の方が貴重お話をしてくださいました。どれも刺激的かつためになるお話ばかりで、とても有意義な時間を過ごすことができました。
参加企業について
株式会社NIJIBOX
調整さん、ATNDを作った会社。ATNDはいつもオフ会で利用させてもらっているサービスです。まさかこんなところで開発した会社の方とお会いできるとは。どこでどんな出会いがあるかわかりませんね。
ソーシャルアプリ開発の際の注意点や運用サイクル、会社で行っているユニークな制度や取り組みなどをお話ししてくださいました。
私は開発者ではありませんが、週に2時間好きなコードを書く時間というのは、新たな技術の習得や既存のスキルのレベルアップのために良さそうだと思いました。Googleの「20%の自由時間」みたいなものですよね。こういうクリエイティブな時間が企業の成長には必要なんじゃないかと思いました。
株式会社CyberX
アメブロで有名なサイバーエージェントのグループ会社。元々はガラケー向けサイトの受託をメインにしていたが、組織をガラっと一新してソーシャルゲームに乗り出したそうです。自分たちはゲーム開発会社ではく、人と人をつなぐ装置を作る企業である、そう明言する通りソーシャルという点を非常に重視している会社だという印象を受けました。
よくよく考えてみれば、アメブロもブロガー同士のコミュニケーションがとりやすいというところで他のブログサービスと差別化を図っていますよね。ソーシャルというのはグループ全体でのキーワードなのかもしれません。
ヒット作はmixiアプリの星空バータウン。秒間6000リクエスト、月間10億PVを記録したそうです。
CROOZ株式会社
若い女性に大人気の無料ブログ作成サイト「CROOZブログ」を運営している会社。ソーシャルアプリでは「くにおくん」シリーズで有名。
ソーシャルアプリで勝負するための秘訣のようなものをお話してくださいました。具体的には、データベースのチューニング、負荷対策、企画のポイント、ソーシャルゲームの今後の可能性等について。どれも具体的かつ核心をついたお話で、とても勉強になりました。
ソーシャルアプリのポイント
ソーシャルアプリという同じフィールドで勝負しつつも、主義や思想が異なる3社ですが、お話の中では何点か共通する点があったように思えます。
どう課金に導くかが超重要
ほとんどのソーシャルアプリは基本的に無料で遊べます。そのうえで、より快適にゲームを楽しみたければ「課金する」という選択肢が与えられています。いわゆるフリーミアムというモデルですね。私はそういうゲームで課金をしたことがないので、どういう時に課金するのか、また企業の方はどのようにして課金に導くのか、正直よくわかっていませんでした。
しかし、話を聞くなかで「みんなで一緒に協力して敵を倒そう」とか「あいつには負けたくない」という、誰かと繋がっているが故に起こる心理的な欲求が課金のキーになっているのではないかと思いました。
トライアンドエラー
どの企業でも開発期間の短縮には全力を注いでいる様子が伺えました。
プランナーがHTML側を作りきって技術者が裏側の処理を作るといった形で分業したり、よく使う処理を予め共通化しておいたり、ミドルウェアや開発ツールを駆使したりと、あらゆる手を使って効率化・短縮化に努めているようです。
CROOZさん曰く、ソーシャルアプリは企画からリリースまで含めて2〜3人でだいたい一ヶ月間。これ以上になると遅い、とのこと。
会社の業務用システムを作るプロジェクトと比べると、スピード感がまるで違います。毛色が違うというのはあるでしょうが、このスピードに対する意識は見習うべきだと思いました。
まだまだ伸びる業界である
ソーシャルアプリ業界には、モバゲー、グリー、Facebook、mixi、iOS、Android、ガラケーと様々なプラットフォームがあります。今年はガラケーからスマホへの移行期であるためその対応に追われることはあるが、ソーシャルアプリがなくなることはありえない、というのが開発側の見解。
いまはまだ国内がメインだが、今後は海外展開も視野に入れていく。モバイルのユーザーは全世界で約30億人、日本では1億人が存在している。つまり日本の30倍もの市場があるということ。ここを開拓していく。
個人的に気になったお話
極論をいえば技術がわからない人間は企画をする資格もない。作る人のことがわかってあげられないとチームが成り立たない。それでは勝てない。
これは私も日々の仕事で薄々思っていたことでした。具体的に何を学べばいいのかはまだわかっていませんが、今後の課題として取り組まなくてはならないと思いました。
DeNA(モバゲー)とフェースブックの売り上げほぼ同じ
だそうです。これは知りませんでした。Facebookが化物みたいに言われていますが、日本企業にも立派な化物がいるんですね。
総評
トップランナーというだけあって非常に身のあるお話を聞くことができました。また、次回があれば是非参加させていただきたい思います。企画していただいたハッチアップさん、お話をしてくださった企業の方々、LTで登壇して下さった方々、本当にありがとうございました!